成仏するということ・・・(*^_^*)
ラベンダー:花言葉「あなたを待っています」「清潔」「期待」「優美」
朝日新聞2015.6.4朝刊 折々のことば 鷲田清一 より引用
『いい思い出だけが残ること、それを成仏と言うんです。』橋本峰雄
逝った人との、生前はどうしても断ち切れなかったさまざまなこだわりが、時の移ろいとともに少しずつほぐれてくる。じかに向き合っていたときには解けなかった確執も少しずつ削ぎ落とされ、その人のいい面だけが残る。そういうかたちで亡き人のイメージが整ってくると、遺された人の心も安らぐ。
京都・法然院の梶田真章 貫主(かんす)からうかがった前貫主のことば。
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こんにちは。
人との関わりが深ければ深いほど、愛憎の度合いが強くなるものですね。
世の中の事件で家族関係のものが多いのもうなずけます。
愛するがゆえに関わりすぎて、思い通りにいかないことで怨恨が積み重ねられてしまう。
うまく想いが届き合わないなんて悲しいですね。
そんな関係のまま永遠の別れが来た時、そこで今までのお互いの確執が寸断され、遺された者はモヤモヤした気持ちのまま取り残された気持ちになってしまう。
それだけ深く関わった相手には、言葉で表しきれない執着があるのだから、簡単に頭から離れるものではないのでしょう。
以前仕事をしていた頃、色々なお客様の心の内を知ることがありました。
ある方は日頃からご主人との若い頃の確執について愚痴り、「今になってちょっとした意地悪をしているの」なんて笑いながらおっしゃっていましたが、ある時ご主人があっけなくご逝去され、ずっと引き篭っていらしたようでした。
数ヵ月後にいらした時おっしゃられた言葉が印象的でした。
「主人が亡くなる数日前に一緒に買い物に行った時、『金目鯛がたべたいな』と言ったのに『キンメなんて高いからダメダメ!あなたはすぐに贅沢言うんだから・・・』と言って食べさせてあげなかったの。なんで食べたいものを食べさせてあげなかったんだろう。毎日じゃないんだし、先も短いんだから存分に食べさせてあげればよかった・・・」
その方はそう言って本当に後悔なさっていました。
それからしばらくお会いする機会がなかったのですが、三周忌が過ぎた頃、私が車でその方のご自宅の近くを通った時に歩いていらっしゃる姿を見ました。
背筋をしゃんと伸ばしてハツラツと歩いていて、血色も良くお元気そうでした。
車を止めて「お久しぶりです。お元気そうで安心致しました。」と声を掛けたら「ありがとう。いつまでも引きこもっていたら主人に心配掛けちゃうから、毎日ウォーキングすることにしたの。そうしたら、町の方とおしゃべりしたり、お花を見たりして元気になりました」と溢れんばかりの笑顔でお話して下さいました。
人間には慌ただしい日々の中で、嫌なことは忘れていくという性質が備わっている。
それのお陰で生き続けていけるものなのですね。
良いところも悪いところも本当は十分に知っているはずなのだから、毎日少しずつ嫌なところを忘れていくと、良いところが残る。
この方の悲しみは多分消えることはないのだろうけど、遺影のご主人へ何度も詫びをし、楽しかった過去を思い出し、良い思い出だけが残るようになり心が癒されたのでしょう。
「成仏する」ということ。
亡くなられた方にとって大切な遺された者の気持ちの整理がついて、前向きに生きて行けるようになった時、やっと安心して仏となることができるということなのですね。
ちょっとしたいざこざは、相手の為を思うがゆえということもある。
ちゃんと言葉にして伝えないと気持ちが通じないこともある。
自分の執着で相手を困らせてしまうこともある。
生きているうちに、たくさん喜ばせてあげよう。
生きているうちに、仲良く良い思い出をたくさん作ろう。
そうすると、きっとその時が来ても成仏しやすくなるのかもしれない。
つまらないことで喧嘩するのはやめよう。
そこから発生する確執が自分を悩ませることになるのだから。
周りの人と譲り合い認め合って過ごしていきたいですね。(*^_^*)